
text&photo/ 原大介(ユアンワークス)
ある街を訪れた時、たまたまお祭りやイベントをやっていたら覗きたくなるのが、旅人の好奇心というもの。蝶が美しい花に吸い寄せられるように、ふらふらと引き寄せられていきませんか?
北海道では収穫の秋になると、全道各地でさまざまなグルメイベントが開催されます。その中でも最大なのが、札幌の大通公園で行われる『さっぽろオータムフェスト』。今年2018年は9月30日に終了しましたが、トラベラーズノートではおそらく世界のどこよりも早く『さっぽろオータムフェスト2019』の攻略法を紹介しちゃいます(笑)
2008年に誕生!!北海道中の美味しいものが大集結
すっかり秋の風物詩になった感のある『さっぽろオータムフェスト』ですが、その歴史はまだ浅く今年で10年目。2007年に「秋ににぎわいのあるイベントを開催したい」とする札幌市担当者と、地域に暮らす人たちが懇談会を実施して開催にいたったそう。
年を追うごとにイベントの規模が大きくなっていくものの、そのスピードに運営が追い付かず「買っても座って食べれるところがない!」「トイレが激込み!!」などの不満の声も聞かれました。しかし毎年それを解決していく中でイベント自体も洗練されていき、中身も雰囲気も年々充実しています。
札幌市内の人気の酒屋さんが出店し、道内日本酒の飲み比べができるブースも。11丁目会場。
10丁目のテーマは「肉」。エゾシカ肉で有名な十勝豊頃の『ELEZO』も出店。
ざざっと、会場全体の構成を紹介
まずは全体像をつかんでいただきましょう。当然2019年の概要は出ていないので、「2018年はこんなんでしたよー」という紹介になります(笑)
会場はテレビ塔のある1丁目からはじまり、2丁目&3丁目は抜かして、4丁目~11丁目が会場になります。それぞれの会場ごとにテーマが決まっていて、以下の通り。
◇1丁目会場… さっぽろオクトーバーフェスト2018
◇4丁目会場… SAPPORO WELCOME PARK
◇5丁目会場… HOKKAIDOラーメン祭り2018&喰い倒れ広場
◇6丁目会場… あおぞら×ほしぞら収穫祭 6丁目はーべすとバザール
◇7丁目会場… 大通公園7丁目BAR
◇8丁目会場… さっぽろ大通ほっかいどう市場
◇10丁目会場… Oh!ドーリファーム“お肉じゅっ丁目”
◇11丁目会場… THE Autumun -食のクリエイトステージ
今年の開催期間は9/7(金)~30(日)10時~20時30分。ただし地震の影響で、スタートは9/15(土)からになりました。
9月23日の日曜日、11丁目からスタートして4丁目まで歩いてみました。その時のスナップショットです。
11丁目会場。『 THE Autumun -食のクリエイトステージ-』がテーマ。イベントの「はじっこ」の会場であるこちらは、人も多くなく狙い目です!
10丁目会場。テーマは『 Oh!ドーリファーム“お肉じゅっ丁目”』。一段高くなったところにカティサークの青いテントが出ていたり、大きなテントの中に椅子とテーブルがあってそこで買ったものを食べれたりします。お肉を焼いた匂いがもうもうと立ち込めて、お腹がぐるるとなってしまいます。
9丁目はお店がなく、丘の滑り台で家族連れが遊んでいます。これ、大人でも滑りたくなる…。
8丁目会場。『さっぽろ大通ほっかいどう市場』。上富良野、苫小牧、北竜など、道内の各市町村のブースがずらりと並びます。それぞれの土地の味が楽しめちゃいますよ。
7丁目会場。『大通公園7丁目BAR』。お酒の色が強いエリアです。都会の高架下や下町にありそうな屋台風のお店もでてました。テントも黒で統一。酔っぱらい多数です(笑)
6丁目会場。『あおぞら×ほしぞら収穫祭 6丁目はーべすとバザール』。高い木が多く、緑の天井のようになっていて独特の雰囲気があります。雨が降っても安心の大テントも!!
5丁目会場。『HOKKAIDOラーメン祭り2018&喰い倒れ広場』。道内各地から意欲的なラーメン屋が集まり、オータムゲスト限定メニューもずらり。人気旅行情報誌の『北海道じゃらん』がプロデュースするエリアです。
4丁目会場。『SAPPORO WELCOME PARK』。JR札幌駅から伸びる駅前通りに面しており、地下鉄大通駅の出口になっていて、その名の通りイベントの入口にあたる会場になります。
オータムフェストを攻略する8つの方法
ここまで見てもらって気付いた方もいると思いますが、とにかく人・人・人。なにも考えずにふらりといくと、人に疲れて帰ってくるということにもなりかねません。何か買おうとおもっても行列。やっと買っても座って食べるところがない…、ということも。
地元に暮らす人と違い、札幌滞在の時間が限られている旅人も多いでしょう。その時間を有効につかうために、オータムフェストの攻略法を教えちゃいます。
『Ten to Ten』に泊まっている旅人なら、この記事を見ながらスタッフに相談をして一緒に作戦を練ってもらうのがおすすめです!
それでは、早速いきましょう。
まずは人を避けるために…
1)平日の10時~12時、14時~17時を狙う
人が一番動くのは、お腹が空くランチタイムとディナータイム、そして週末。そこを外すだけでずいぶん人の密集度が少なくなります。「人が動かない時に、動く」。これは人込みをさける鉄則ですね。
2)4丁目からではなく、11丁目からスタートする
4丁目が『WELCOME PARK』という名称になっているように、多くの人は4丁目会場からイベントに足を踏み入れます。しかし全員が端の11丁目まで行くわけではない。だいたい途中で離脱していきます。なので、大通駅から地下鉄東西線で一駅向こうの西11丁目駅までいき、そこから反対に4丁目に向かうほうが歩きやすいです。
次に狙うお店の見つけ方…
3)札幌に店のあるブースは避ける
「オータムフェスト」には、いま札幌で人気の店や注目の店が出店していますが、そういうお店に関しては『オータムフェスト』で食べるより、店舗に行った方がいいです(笑) もう数年前の話ですが、人気の中華料理屋『布袋』さんがブース出展をしていて、そこの前にはすごい行列が並んでいました。しかし、『布袋』さんの本店はそこから歩いて10分ほど。しかもそんなに混んでない。「並んでいる人たち、そのこと知ってるのかな?」と思いましたが、こういう場合は絶対お店に行くのをおすすめします。なんだかんだいって調理器具・設備もお店にあるのにはかないません。
4)地方の名店を狙う
どでかい北海道。各地で頑張っている名店があります。自分の店のことだけを考えるのではなくその地域の「食」を盛り上げていこうと、旗振り役になっているようなお店です。そういう意欲のある店はオータムフェストにも参加していることが多いです。たとえば今年でいうと新ひだか町の『あまや』さん。新ひだかまでいこうとすると大変ですが、このイベントはそんな名店の味を札幌で食べるチャンスです。「じゃあオータムフェストに出店している地方の名店って??」それは、宿のスタッフに聞いてもらうのが一番! ちなみに『あまや』さんは7丁目会場に出店していました。
5)自分が気になる街のブースを狙う
たとえば、「知床に行ってみたいけど今回は旅程が合わない」「宿で出会った人から函館をおすすめされてすごく気になっているけど、調べたら札幌からだいぶ遠いし行く時間がない」。そんな人にも「オータムフェスタ」はおすすめ。自分が気になっている街の食べ物に出会えるかもしれません。8丁目会場の『さっぽろ大通ほっかいどう市場』を中心にして、各市町村がブースを出しています。ただしイベントは大きく3期にわかれていて、出展者が入れ替わるので、気になる街のブースがでているかどうか、これも宿のスタッフに確認してから向かいましょう。
6)はじっこを狙う
何事もはじっこというのは、少し寂しいものです。寂しいといういことを捉えなおすと、人が少なくて快適だということ。またはじっこにこそ「本質」が現れやすいというのが私の持論です。今回のイベントでいえば11丁目!! そこにはとれたての農産物や、道内チーズ&ワインのブース、人気シェフのブースがでておりました。「あんまり時間がない」「人混みが嫌だ」という人は迷わず11丁目を狙いましょう。
これらは11丁目の様子。ちなみにはじの一番はじのブースでは、芦別高校の高校生が野菜を売ってました。
じっくりイベントを楽しみたいという人には…
7)レジャ-シートを持っていき、拠点を作る
1日のんびりと楽しみたい、お酒も飲んだり昼寝もしたりしながらだらだらと過ごしたい、そういう人におすすめなのは、基地づくり。大通公園には上の写真のように、芝生の広がるスペースが何カ所かあります。そういうところにレジャーシートを敷いて基地を作ってしまい、そこから食べ物を買いにっては戻り、買いに行っては戻り、というようにすると、いちいち席を探さなくていいので楽です。
8)トイレの場所をあらかじめ把握しておく
長くいようと思ったら、直面するのがトイレ問題。公園内にも何カ所かトイレはありますが、混みます。ただすこし視野を広げれば、地下鉄や商業施設など、公園の周りにもトイレはある。具体的にどこにトイレがあるのかは、事前に宿のスタッフに聞いてからでかけましょう。
いかがでしたでしょうか??もっとも、この攻略法を活かせるのは1年後な訳ですが(笑)
「さっぽろオータムフェストを目的に札幌にくる」、そんな旅をおすすめしちゃうほど、北海道中の食に出会える素敵なイベントであることは間違いありません。いまこの記事を読んだら、ぜひ2019年9月は札幌での『食い倒れ&のん兵衛旅』を予定してくださいね!
〇所在地/北海道札幌市中央区大通
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WRITER
リクルートグループの制作会社で12年勤務した後、2012年に独立。現在は「北海道じゃらん」の編集・取材も担当。もう一つの仕事であるコンサル業務と合わせて、道内のあちこちを飛び回る日々。
ユアンワークス
http://yuanworks.info/