心からほっとする料理を、1日の1食に。隠れ家のような、ビーガンカフェで過ごす至福の時間。

text&Photo/長谷川みちる(Editor’s office Bluebird)

おいしい食事のある旅は、それだけで結構しあわせだと思う。だから北海道に来てくれた人たちには、この土地のおいしいものをいっぱい食べて、笑ってほしい。
だけどもしかすると、国の文化や宗教の違い、食物アレルギーなど色々な理由で旅の食事が制限されることがあるかもしれない。連日の食べ歩きで、胃腸がお疲れ気味の人だっているかもしれない。そんな時に、ぜひ足を運んでみてほしい、隠れ家があります。


当たり前にあるモノやコトを一つずつ捉え直し、選び直す

Ten to Ten SAPPORO STATIONから徒歩8分。街中の喧噪を離れた住宅地の一画にあるビルの4階に、OFF-GRID CAFE ”Physical”はあります。

エレベーターのドアが開くと、目の前にこの空間が。一つ一つのアイテムが洗練されていて、どこを切り取ってもフォトジェニックな店内は、ため息がもれるほどです。

Physicalを運営しているのは、国内外クライアントのブランディング、プロデュース、グラフィックデザインを手掛けるデザイン事務所「COMMUNE」と、ロンドンに1号店を持つビーガンフードレストラン「いただき繕」。

ところで、店名のOFF-GRID(オフグリッド)。一般的に知られているオフグリッドの概念は、ざっくり言うと「電力の自給自足(自然エネルギーの活用)」を意味しますが、Physicalの考えるオフグリッドは「当たり前にあるモノやコトを一つずつ捉え直し、選び直す」こと。だから店内にあるものは全て、自分たちが本当に納得するものをそろえているのだとか。

 

誰でもきがねなく楽しめるビーガンフード

Physicalで提供されるお料理やスイーツは、地球環境や作り手側の人間も含め「無理をしないと生み出せない素材は使わない」ことを前提に調理されています。とは言いつつも難しく考えず、まずは一口、召し上がれ。

「季節の野菜のビーガンビビンパ」。食器やカトラリーにもこだわりが

ランチは「季節の野菜のビーガンビビンパ」、毎日おかずが変わる「本日のビーガンボックス」の2種類からチョイス。最近では仕事帰りにも立ち寄れるよう、ディナーメニューでも食べられるようになりました。

ご飯にはスコットランドの潮風をたっぷりと浴びた自然栽培の“潮麦”(大麦)と道産の自然栽培の白米がブレンドしてあり、噛めば噛むほど深い味わい。そして、自然栽培の野菜をたっぷり使ったおかずは、食材本来の旨味がしっかり伝わってきます。肉や魚、卵、乳製品といった動物性タンパク質、化学調味料は使用していませんが、不思議と満足感があっていつもよりお腹もいっぱいに。そして不思議と心の奥がほっとして、体の奥が清浄化されていくような気持ちになるのです。

精製した砂糖や乳製品を使わないスイーツも人気。「お豆腐のベイクドチーズケーキ」(680円)を中心にマフィンや有機カカオマスを使ったケーキなど、登場するメニューが少しずつ変化

これらのお料理やスイーツは、日夜おいしく新しい料理を追求するスタッフの皆さんがしつらえています。健康が気になったり、アレルギーで食べられないものがある方に合わせて、食事の提案をしてくれるのも嬉しいところ。身体を繕う、真心の込もったお料理を提供しています。

ビーガン(完全菜食)というと、厳しい制限を課した人たちが食べる“ストイックな料理”のイメージがあるかもしれませんが、「一番は食を楽しむことであって、ビーガンはその一つの手段」というのがスタッフ皆さんの想い。使わない素材があっても、それをどうやっておいしく表現するか。“創作料理”として捉えると、Physicalの食事は実にクリエイティブです。

店内のたたずまいも、流れる時間も、体と心がほっとする食事も。この空間全てが旅の疲れを癒してくれるはず。旅の合間に、ぜひ一度足を運んでみては?

こちらの外観が目印(入り口は南側ではなく、ビルの北側)。閑静な住宅街にあるビルの4階にお店を構えているので、ふふふーんと鼻歌を歌っている間に通り過ぎる可能性があるのでご注意を!

札幌駅南口から徒歩で向かう方には、北海道大学植物園を観光するのもオススメ。Ten to Tenから向かう方は、高架下のルートからどうぞ。


OFF-GRID CAFE “Physical”
○所在地/北海道札幌市中央区北5条西11丁目8 Sacra bldg.4F
○TEL/011-206-6869
○HP/http://www.physical.cafe
○営業時間/12:00〜22:00
○休/火曜日
○駐車場/1台(その他、有料駐車場あり)
○Free Wifi、電源あり
○最寄り駅・バス停/
JR札幌駅より徒歩15分、JR 桑園駅より徒歩10分、地下鉄東西線西11丁目駅より徒歩10分

LOCATION

WRITER

ハセガワ ミチル
酪農ライター/編集者

ITベンチャー、編プロ、農業系大学の編集・出版部を経てフリーランスに。一次産業(特に酪農)、町づくりのフィールドを中心に、これまで21都道府県(道内全域)を取材。北海道苫小牧市出身。

Editor’s office Bluebird
http://chiru-bluebird.info/