牧場スイーツのNEWスタイル!不思議な食感にハマる“トロケッテ・ウーノ”

text&photo/ 長谷川みちる(Editor’s office Bluebird)

北海道旅行の定番といえば、広大な大地でのんびりすごす牛を眺めながらいただく牧場ソフトクリーム。もちろん、それはマスト!ですが、ちょっぴり指向を替えたスイーツも試してみてませんか?今回は酪農ライターいちおしの牧場をご紹介します。

 

緑の中にひょっこり。カマボコ現る!?

“酪農ライター”を名乗っているだけあって、これまで全国津々浦々、牧場を取材してきました。紹介したい牧場がたくさんある中で、トップバッターを誰にお願いするべきか…。ということで悩んだ結果、天塩町の宇野牧場さんに登場していただくことに!
酪農業界には人間味あふれるステキな方たちがたくさんいますが、中でも宇野牧場の宇野剛司さんは、これまでの”当たり前”から一歩飛び出してみることにチャレンジし続けるユニークな酪農家さんです。
札幌から車で約4時間。日本海を北上していくと稚内のもう少し手前に、漁業と酪農が盛んな天塩町があります。…4時間かぁ…という声が聞こえてくる気もしますが、北海道旅行の醍醐味は、地方にこそあるのです!!


真っ直ぐに続くのどかな道を走っていると、牧草地の中に巨大なカマボコドームが出現。…サーカスのテント??いえ。実はこれ、牛舎です。この辺りから宇野さんのユニークさがじわじわきます。

ちょっとだけ、そのお姿をご紹介。

天塩町公認のインスタグラマーのナヲさんが牧場に来ました!ナヲさんは約6万6千人ものフォロワーがいて、天塩の食材を使って料理を作りアップしてくれています!今回の取り組みをニュースゼロで放送になります!放送日は近くなりましたらお知らせ致します!#宇野牧場#ウノカフェ#天塩#北海道#放牧#インスタグラマー

株式会社 宇野牧場さんの投稿 2018年5月24日木曜日

後ろ姿だけど、宇野さん。


スーツ姿が決まってる、宇野さん。


宇野牧場の名を世に知らしめたのは、こちら。トロケッテ・ウーノ。商品名、まさかのギャクですか?と、初めは思いましたが(宇野さんごめんなさい!笑)。こちらのスイーツ、乳加工品の中では実にクリエイティブな商品なんです。

トロケッテ・ウーノは、昔から酪農家さんの間で食べられていた『牛乳豆腐』をヒントに作られています。牛乳豆腐とは、子牛が生まれた時に母牛から搾る『初乳』にお酢を加えて凝固させた、農家さんのおやつ。初乳(出産後の数日間のお乳)は世の中に出回ることは絶対にないので、もし私たちが牛乳豆腐を食べたければ、牧場に住み込むなりして子牛の生まれる時を待たなくてはなりません(笑)

この酪農家だけが食べられるおやつを、消費者にお届けできるような基準に従って処理された生乳を使って、よりスイーツらしく仕立てて商品化にこぎつけたそう。


牛乳とも、飲むヨーグルトとも違う、独特なとろみと風味。まずはプレーンで素材本来のうまみを楽しんでから、4種のフレーバーをどうぞ。牛乳豆腐はお酢を使って固めるのがセオリーですが、トロケッテ・ウーノは“にがり”を使うので、本当に豆腐作りのよう!

おいしさの源に、ひそかな努力あり

宇野牧場のスイーツが支持される理由。それは、原料であるミルクがおいしいから。
そして、それを生み出せるのは、牛たちが食べている草と環境にあります。
宇野牧場では、ニュージーランド酪農をお手本にした放牧酪農を実践しています。「牛を放せばいいだけだから、簡単でしょ」と思うかもしれませんが、放牧だからといって全てを放任していればいいわけではありません。
例えば、牛が食べる草を良い状態に保つメンテナンスも必要ですし、栄養のある草をしっかり育てるためには土の中を微生物や虫が住める環境に整えてあげたり、雑草が生えないような管理も重要。宇野牧場では化学肥料や農薬を使わずに、このメンテナンスを行っているのです。


そうやって育った青草は、糖度が14度にもなることもあるそう(果物並みの甘味!)。科学的な難しい話や技術の話は横に置いておいたとしても、ここまでの環境を作り上げるためには時間も労力もかかることは間違いありません。
宇野さんのお父さんが親方だったときと現在では全く異なる飼い方(舎飼い)だったので、両親を説得し、一から牧場を作り直すには本当にたくさんの苦労があったはず。そういった惜しみない努力とチャレンジが、乳(NEW)スイーツを生み出したのだと思います。


せっかく4時間かけて来たんだから、この風景も楽しんでほしい!特に5月~10月は放牧の最盛期で、美しい緑の中を牛たちが、のほほんとすごす姿を眺めることができるはず。ただし、草地や牛舎の中に勝手に入ることは、防疫の観点からも厳禁!!ルールを守って、楽しみましょう。


16時頃になると夕方の搾乳のため、牛たちが牛舎の方へ歩いていきます。


牧場の敷地内にあるカフェならではの逸品も。搾りたての生乳を使ったソフトクリームや、みるくかき氷、牛乳本来の甘味がしっかり感じられるカプチーノなどのほか、もちろん牛乳も飲めちゃいます。


もし、どうしても「牧場まで行く時間がないよー」という方は、下記の店舗でも商品の購入が可能。最近では、札幌・ススキノのバーでトロケッテ・ウーノを使ったカクテルも楽しめるので、お試しあれ。


【宇野牧場】
○所在地/北海道天塩郡天塩町字サラキシ2015-2
○TEL/01632-2-3218(※平日10:00-16:00)
○HP/http://www.unomilk.jp
○営業時間/11:00-16:00
○休/不定休
○P/あり

【トロケッテ・ウーノ販売店】
■ハスカップ/新千歳空港国際ターミナル2階(0123-46-5641)
■北海道どさんこプラザ札幌店/札幌市北区北6条西4丁目JR札幌駅西通り北口(011-213-5053)

【カクテルが飲めるお店】
COEUR de LION クール ド リオン
Julion(みるくかき氷を使ったメニュー)

LOCATION

WRITER

ハセガワ ミチル
酪農ライター/編集者

ITベンチャー、編プロ、農業系大学の編集・出版部を経てフリーランスに。一次産業(特に酪農)、町づくりのフィールドを中心に、これまで21都道府県(道内全域)を取材。北海道苫小牧市出身。

Editor’s office Bluebird
http://chiru-bluebird.info/