少し時間が空いたときに。札幌駅近くの北大植物園で北の大地に触れよう!

text & photo /土居奈津美

 

札幌観光の日。少し時間が余ったときにぶらっと自然を満喫しませんか?

ご紹介するのは札幌駅から徒歩5分の位置にある「北海道大学植物園」

ここではゆったり植物を観察しながら園内を散歩したり、北海道の植物を利用した北方民族の暮らしを学んだりできます。

植物園をぶらっとおさんぽ

植物園には散歩をしに何度か行ったことはありましたが、じっくり植物を観察したことは無かったためこの日はしっかり見てきました。

植物園に入ってまず目に入ったのはこのまっすぐな道。

芝生の緑色と赤茶色の土の色のコントラスト、そのわきにまっすぐ立つ背の高い木々。道の先には光があふれています。

この赤茶色の土の道がなんだか北海道っぽいと思うのですが、その根拠がわかりません。イメージですね。

 

道に沿って園の奥まで進むと、この時期が見ごろのバラ園につきます。

色とりどりのバラがお出迎え。

昔ご近所の散髪屋さんではバラをたくさん育てており、いつもおままごとのためにバラをおすそ分けしてくださった記憶が思い起こされます。

バラの花を水に浸して網でこすと、とてもきれいな色水ができるんです。今考えるととても贅沢な遊びでしたね…。

こちらのバラ園には赤・黄色・白・ピンクの様々な種類のバラが育てられています。

バラ独特の甘いけれどスンとした香りが広がる空間です。

こちらのバラ園には約20種類のバラやハマナスが植栽されています。

見ごろは6月下旬から9月とのこと。

ここだけ切り取ると、北大植物園は長崎のハウステンボスのように鮮やかな花で溢れていると思われるかもしれません。

こちらの植物園はその名の通り、北海道大学の植物学の教育・研究を目的に作られたものです。

そのため、色とりどりの花が美しく咲いている!という空間ではありません。非常に大きく立派な木々に囲まれ、場所によっては鬱蒼とした雰囲気を感じるかもしれません。

1886年(明治19年)の開園から研究施設として使用されてきました。

一方で閉鎖的な研究施設としての用途だけではなく多くの人にとっての憩いの場になれば、という想いのもと開園当時から広く一般にも公開されています。

 

ゆっくり歩いて観察してみると美しい植物が沢山あることがわかります。

道端に育っていた植物。名前は何だろう?

鮮やかな薄紫がひときわ目を引きました。

この植物園の楽しみ方は「これはどんな植物なんだろう?」と想像することにあるような気がします。

この植物は…葉脈が大胆で葉っぱは左右均等。

噛んだら水分が出てきそうなほどハリがあります。

部屋の壁に貼っておくと毎日爽快な気分になりそうです。

図鑑を片手に歩くともっともっと楽しめそうです!

この日の滞在で一番時間を忘れたエリアです。

園内の一番奥にある「北方民族植物標本園」です。

東アジアの北方民族が生活に利用した約200種の植物が植栽されています。

各植物の前にはその用途が示されており、それが非常に興味深いのです!

一つの植物でも場所によって様々な用途で用いられたことがうかがえます。

こういった植物の用途はいつ定まるのでしょうか?

先人の教えとして伝統として根付くものですが、そもそもその先人たちはどうしてこの用途にたどり着いたのでしょう?

数ある植物の中でもなぜこの”アキカラマツ”にこんな効能があると考えたのでしょうか?

伝統の始まりが気になりますね。

ひとつひとつの植物に丁寧に名前と用途がラベルされており、ぱっと見たところ”冴えない草”に思える植物に存在価値が認められていた、ということを実感できます。

ぜひこの標本園に行ってみてほしいです。

北方民族が植物とどのように関わっていたのか、感心して驚き、とても楽しい時間が過ごせるはずです。

私はここで1時間ずっと感動してしまいました。

ちなみに植物園の入園ゲート付近にある「北方民族資料室」には、これらの植物を利用して作った北方民族の生活品が展示されています!

こちらの北方民族資料室には、アイヌをはじめとする北海道周辺の北方民族が使用していた衣類や儀礼用具・狩猟用具が展示されています。

園内には樹木園があり、自生の樹木だけでなく世界のさまざまな樹木が植栽されています。

多くは樹齢110年ほどと推定されていますが、より古いハルニレの巨木もあります。

木漏れ日が差し込む空間には、鳥の鳴き声と自分の足音しかしません。

こちら大きな大きなハルニレの木。

幹にはぽっかりと大きな穴が。身長170㎝の私でも背伸びをしてここまでしか見えませんでした。

中がどうなっているのかがこわいけれど気になる!

温室も解放されています。

北海道の寒い屋外では育たないものを育成・展示しています。

熱帯・亜熱帯地域の植物が沢山ありました。

背の高いサボテンや、お店のオープン時によく見るラン、パイナップルやバナナもありました!

なかでも注目してしまったのは食虫植物です。

口を開けて虫が入ってくるのを待っています…。

想像したくないけれど想像してしまって背筋がぞわぞわします。

もちろん人間はこれらの食虫植物には負けないってわかっているのですが…。

こちらの建物は「博物館本館」

この建物自体も重要文化財に指定されています。アメリカ映画に出てきそうな雰囲気です。

中に入ると迫力満点のヒグマが出迎えてくれます。

とんでもなく大きい!

彼?彼女?は1890年に牧場を襲い、現在の手稲駅付近で駆除されたヒグマです。

そのほかにも今は絶滅してしまったエゾオオカミやニホンカウワウソなどのはく製を観ることができます。

ゲートの近くにある立派なフジの木。根っこというのでしょうか。

当たり前ですが、大地と一体になってとんでもない生命力を感じさせます。

植物園は発見がいっぱいです。目を凝らして子どものように、沢山発見してみませんか?

無邪気に楽しんで園内をぐるっと一周して戻ってくると、「そういえばここは札幌中心部だった」と我に返ります。

開園当時から存在する沢山の樹木のなかをゆっくり歩きながら、北海道の雄大さを感じてみてはいかがでしょうか?


【北海道大学植物園】
〇所在地/札幌市中央区北3条西8丁目
〇TEL/011-221-0066
〇開園時間/9:00~16:30(入園は16:00まで)
〇休/月曜日(祝日の場合は翌日)
〇料金/高校生以上 420円
小中学生  300円
未就学児  無料

LOCATION

WRITER

土居 奈津美
ライター/大学院生

女子大学院生ライター。岡山県出身、北海道満喫6年目。春は勢いのある雪解けを楽しんで、夏は麦わら帽子を持ってドライブへ。秋は美味しいものを食べ、冬は雪の綺麗さに見惚れています。