『大事なのは、成り行きに乗っかること。』全国のフェスで絶大な人気を誇る「いちごけずり」考案者 萬年暁子さん

 

※11月26日現在、メンテナンスと店内改装のため休業中です。2019年春の再開をお待ちください。

 

text/photo 松下叶

 

こんにちは。好きなものは最後に取っておきたい派、松下叶です。

 

いちごのショートケーキで最後の最後に食べるのは、絶対いちご。

「え?要らないの?」「いやいや、大好きだから取ってるの!」

 

同じくいちご好きの妹と、何度取り合いをしたことかわからないくらい、いちごが好きです。

 

突然ですが、「いちごけずり」って知っていますか?

 

そう。お祭りやフェスでよく見かける、”あれ”です。

凍らせたいちごをそのまま削っただけなのにびっくりするほど美味しい、”あれ”です。

(もちろん私は、見つけると必ず買ってしまいます。)

 

この「いちごけずり」にも、なんと「考案者」がいるんです。しかも北海道に。

というわけで、まさか会えちゃうなんて!と少し興奮気味でインタビューしてきました。

 

今や全国のいろんなお店で行列を作っている「いちごけずり」。この全ての始まりは【成り行き】だったそうなんです。

 

「けずりいちご」ではなく、「いちごけずり」

北海道民以外の日本人にとって馴染みがあるのは、きっと「けずりいちご」なはず。実はそれ、「いちごけずり」は登録商標されているからなんです。

 

「いちごけずり」が生まれたのは、札幌市内にある小さな野菜ジュース屋さん。

その名も、「LITTLE JUICE BAR」。

ただの野菜ジュース屋さんというよりは、店名の通りなんだかおしゃれなバーのような雰囲気です。

 

大通りやすすきのから歩いて行けちゃいます。美味しいサンドイッチが食べられるゲストハウス「めざましサンド」の隣にあるので、サンドイッチの後のデザートにでも。

 

「めざましサンド」についてはこちらから。

笑顔で出迎えてくださったのは、野菜ソムリエでもあり、旦那さんと共に「まんねん合同会社」を大きくしてきた萬年暁子さん。

 

 

野菜ソムリエだったからこそ生まれた、「いちごけずり」という商品

萬年さん:「『野菜ソムリエ』という職業柄、農家さんとの繋がりがあって。だから、新しい野菜ジュースのメニューを考案する際は、農家さんの声がきっかけなことが多いんです。』

 

いちごけずりも、ある知り合いの農家さんから「商品として使えないいちごを使って欲しい」という相談を受けたことが始まりでした。ジュースにしても余ってしまったいちごを、とりあえず凍らせて削ってみたらどうなるんだろう。そんなふとした疑問から生まれた、「いちごけずり。」

私が今まで、お祭りなどで買ってきたけずりいちごは、本当にただ、凍らせたいちごを削って、練乳をかけただけのものでした。もちろん美味しいけれど、自分でも同じように作れるかな、という感じ。

 

しかし、LITTLE JUICE  BARのいちごけずりは、それとはびっくりするほど違います。

 

いちごはお店独自のマシンでけずられているので、思った以上にふわっふわ。上に乗っているのは、程よい甘さの練乳ミルクムース。

 

なにこれ。私が今まで食べてきた”けずりいちご”と全然違う!

これが、、、”いちごけずり”!!!!

 

と、思わず友達と顔を見合わせたほどでした。

食べた瞬間に、想像していた何倍もの美味しさを感じて、思わずにやけてしまいます。

それくらい、美味しい。何個でも食べられます。

 

LITTLE JUICE BARの商品が心へ響く理由

LITTLE JUICE BARには、いちごけずり以外にも「あ、これも飲んでみたい。」と思ってしまうような野菜ジュースがたくさんあります。

例えば、リコピンたっぷり「ソルトーマのホットベジ」や、コールドプレス製法で作られた「デトックスグリーン」。北海道の冬に、心も体も”ホッと(ホット)”する「いちごけずりホットチョコレート」も気になります。

 

あれもこれも飲んでみたい、となってしまうのは、「消費者が求めているものだけを作りたい。」という萬年さんの強い信念によるものなのでしょうか。

 

萬年さん:『最近の世の中には、プロダクトアウトのものが増えてきた気がします。作り手が、自分が作りたいものを消費者に提供している。でも、「手間をかけて最高級の物を作りました」って、作り手のエゴのような気がして。』

 

『私は、本当にユーザーありきだと思っています。ユーザーが求めているものを探して、それに見合うものを見つけてくる。そのためには、自分が好きではないものを提供することもあります。むしろ、その方が多いかも知れませんね(笑)』

『私たちの仕事は、ユーザーにとって馴染みのないものを、ユーザーが手に取りやすいようにすることです。例えば、ケールってスーパーに並んでいるものではないじゃないですか。だけど、最近流行っている「デトックス」や「コールドプレス」というワードを使えば、手に取ってくれるユーザーは多くなります。そうやって分かりやすくしていくことが、私たちの仕事だと思っています。』

 

「自分はこれを作りたいんだ!」という作り手の強い思いから作られた商品はもちろん素敵ですが、確かに作り手の思いを、消費者に押し付けているだけなのかも知れません。

 

『ユーザーが本当に求めているものを作る』

これが本来の商品のあり方なんだと、ハッとさせられました。

 

成り行きに身を任せて、とにかく今を一生懸命に。

「野菜ジュース屋さんをすることになったのは、本当に成り行きだった」と話す萬年さん。

それから、野菜ソムリエの資格を取ってしまうまでに打ち込んだと言います。

 

『とにかく、一生懸命やってきたんです。自分が見つけてきたことでも、人から与えられたことでも、それは変わりません。目の前にある階段をクリアして、今までやってきました。』

 

『人との繋がりも、自分で無理やり繋がろうとした人より、なんとなくで繋がった人のほうが長く繋がっていたりするでしょ?仕事も人生も、それと同じだと思っていて。「いける」と思った時に思い切っていってしまうこと、成り行きに身を任せてしまうことが大事なんですよね。だって、「5年後こうしたい」と思っていても、実際は世の中の方が変わっていたりするしね(笑)』

取材をしに行ったはずが、いつの間にか「自分も頑張らなきゃ」と勇気づけられるお話をしてくださった萬年さん。

 

札幌の小さなジュースバーで、美味しいジュースに心が満たされるだけではなく、運が良ければ、こんな素敵なお話を聞くことが出来るかも知れません。

 


◯所在地/札幌市中央区南4条東3丁目11-1

◯TEL/011-213-5616

◯HP/http://www.littlejuicebar.com/

◯営業時間/夏期(6月~8月)11:00 – 20:00、冬期(9月~5月)11:00 – 19:00

◯休/水曜定休(7・8月定休なし)

◯P/なし

 

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