小樽にある北海道最古の銭湯は、レトロ感満載でいい湯だなあははん♪

text&photo/ 原大介(ユアンワークス)

現代の中にも、前時代の懐かしい雰囲気を感じられる場所が点在しています。その一つが銭湯。北海道の歴史において、札幌より前に発展した小樽には、明治から続く銭湯が存在します。その一つで、北海道で最も古い銭湯と言われている『小町湯温泉(こまちゆおんせん)』を訪ねてみました。なんともたまらないレトロな世界が広がっていましたよ。

 

これからも残ってほしいジャパニーズカルチャー、それが銭湯!

銭湯というのは外国にもある文化かもしれませんが、もともと日本の家屋にはお風呂がない家が多く、江戸時代には民衆の社交場として栄えたようです。当時は混浴が一般だったとか。風紀を乱すものも少なくなかったようで、何度か幕府から禁止令が出されます。実際はなかなか改まらかったようですが…(笑)いずれにしてもお風呂好きの日本人らしい場所だといえるかもしれませんね。最近は家にお風呂があるのが普通なので、街の銭湯もだんだん減ってきています。未来に残していきたい日本のよき文化の一つ。いまのうちにぜひ体験してください。

南小樽駅を出て、黄緑色の看板の「魚松旅館」前の坂を下り、てくてくと歩くこと約5分。道路の右手に煙突が見えてきます。この「高い煙突がある」というのもトラディショナルな銭湯のスタイル。

 

車で来た人は、小樽住吉郵便局の前に数台停められる駐車場があるので安心を。朽ち果てていくのを待っているような建物が目印。う~ん、渋い。

 

店の入口の上には「効用」を説明する看板があります。ラジューム温泉って何だろうと思い調べてみるとラドン・トロンから発せられる放射線の効能がある温泉とのこと。微量の放射線は体にいいらしいですね。

 

最近は外国からのお客さんも多いそうです。こんなシールも貼ってありました。

 

二重扉になっていて、男性用・女性用と分かれています。あなたが男性だとして2回間違えると女性湯に入ってしまうので注意!

 

いよいよ突入!そこで迎えてくれたのは…

入ってすぐ、見上げる位置に番頭のおばあさんが座っています。ここでお金を払います。大人440円です。番頭さんから見ると右側が男湯、左側が女湯となっています。1970年代に放映された銭湯を舞台にしたホームドラマテレ『時間ですよ』でもお馴染み(僕は子どものころ再放送で見ていました)。いまもこのスタイルが残っているところはそうそうありません。

 

タオルもカミソリもシャンプー類も、全部お店で売っているので手ぶらで行くこともできちゃいます。

 

下駄箱は明治時代からのものだそうです。くるぶしのあたりまで高くなっているような靴は入らないのでその場合脱いだ靴はそのまま入口に置いて入ってください。

 

お風呂に入る前のルーティン。体重測定。見てください。この体重計。独特のシェイプ、色使い、よく見ると車輪までついています。当然現役です。

 

写真がないのでお風呂の様子は文字だけで…。

肝心のお風呂ですが、お客さんが入っており撮影ができなかったので、文章でお伝えします。脱衣場の奥にガラスの扉があり、脱ぎながらお風呂の様子がみれます。どーんと真ん中に浴槽が一つ(厳密に言うと大きい浴槽が二つに仕切られています)。

洗い場の右手にある風呂桶とプラスチックの椅子を手に取ったら、空いた場所に陣取ります。蛇口はお湯と水が別々になっているタイプ。こんなの今どきなかなか見ない!オールドスタイル!ひねるタイプではなくて押すタイプです。両手を使って、左手でお湯、右手で水を出し、風呂桶の中にお湯&水を溜めたら手でかき混ぜます。そうするとだいたいいい感じの温度になります。

体を洗ったら浴槽に移動しますが、これがびっくりするほど深いので注意!! 眼鏡を外していたこともあるし、普段行く温泉の日帰り入浴や、大型スーパー銭湯にある浴槽と同じ感覚で足を踏み入れると、ぼちゃーーんとなっておぼれそうになりました(笑) 注意です。でも足は付くので大丈夫。1m70㎝の僕の身長で肩くらいまでお湯があったので、1m20~30㎝くらいの深さではないでしょうか。

しかも熱い!!熱湯風呂状態。ダチョウ倶楽部や出川哲郎になった気分です。容赦ないです(笑)

 

お風呂を出たら体をふいてパンツをはいた後、こちらのマッサージ機でリラックス。年季が入ってますね。2台ありますが1台は故障中。でももう1台は現役です。これまたおじいちゃんにマッサージしてもらっているような気分になります。

 

熱いお風呂の後は、腰に手を当てながら牛乳瓶を一気飲みというのが正しい銭湯スタイルですが、こちらにはなんと牛乳がありません!当然フルーツ牛乳も!コーヒー牛乳も!おばあさん曰く「ポカリスエットとかのほうがよく出るから…」とのこと。ここだけが唯一残念でした(^^;

 

壁には建て替えられる前の『三マス蕎麦屋』の写真。これなんと、歴史的建造物ということで江別にある開拓記念村にそのまま移築されているそうです!

 

ちなみに『三マス蕎麦屋』からのれん分けをした店はまだ入船町にあり、そこに行くと蕎麦屋なのにラーメンも食べられます。小樽はこのスタイルが多いようですよー(小樽市入船1丁目11−23)。蕎麦屋のラーメンって気になっちゃいますね。詳しくはこちらの記事から。

 

いかがでしたでしょうか?

この建物は明治に建てられてから補修しながら現代まで残っていると受付のおばあちゃんが言っていました。ちなみにおばあちゃんも経営者さんの親戚だそうで、話していたら30年も前に亡くなった自分の祖母を思い出しました。

話し方とかなんだか似ているんですよね。その土地土地の話し方というのもあるし、その時代時代の話し方というのもきっとあるんでしょうね。

こういう銭湯こそいつまでも残っていってほしいのですが全国的にみれば時代の荒波に飲まれ、また経営者の高齢化などでどんどん減っているようです。行けるうちにいく!しかも北海道で最古の銭湯!おすすめです!

※ちなみに写真撮影にもめっちゃ寛容です。おばあちゃんに相談したら「どこでも好きなように撮って!と言ってくれました。くれぐれも着替え中の裸の人を撮らないように気を付けてくださいねー(笑)

 


〇店名/小町湯温泉(こまちゆおんせん)
〇住所/小樽市信香町11の4
〇電話/ 0134-23-1276
〇営業時間/11:00~22:00 ※金は12:00~22:00
〇休/月
〇駐車場/あり(小樽住吉郵便局前)

LOCATION

WRITER

原 大介
ライター/ディレクター

リクルートグループの制作会社で12年勤務した後、2012年に独立。現在は「北海道じゃらん」の編集・取材も担当。もう一つの仕事であるコンサル業務と合わせて、道内のあちこちを飛び回る日々。

ユアンワークス
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