トラディショナルな札幌味噌ラーメンの進化を、小樽の『みかん』で感じる

text&photo/ 原大介(ユアンワークス)

昨年のある日、小樽に南樽市場に仕事へ行った帰り。駐車場横にあるラーメン屋から出てきた知り合いとばったり。いつもは少しシャイな彼なのに、この日は私を見つけると駆け寄ってきて、「ここのラーメン食べたことあります?うまいんですよーー!」と目を輝かせて伝えてきました。それ以来、ずーーっと気になっていた『みかん』。僕にとって小樽のラーメン屋と言えばずっと『初代』のだったのですが、そこに突然『みかん』が割り込んできたのでした。ラーメン屋なのになんで『みかん』なんだろうというのも疑問でしたが、そのネーミングの秘密も分かっちゃいましたよ。

 

 

南樽市場のすぐ手前。JR南小樽駅から徒歩12分ほど。

土曜日の14時前に行きましたが、10人くらいが並んでおりました。並んでいる間に愛嬌のあるお姉さんが注文を取りにきてくれます。

 

こちら南樽市場。地元で揚がった旬の魚介類がお手頃な価格でずらっと並んでいます。他にベーカリーや野菜、お惣菜も。地元の人も買い物に来る場所です。

 

表の貼り紙にはメニューと営業時間。看板メニューは「味噌ラーメン」とのこと。店内は禁煙なので、たばこは外で。

 

のれんをくぐると、狭いスペースがあり、それを開けると店内です。「一麺魂心」の言葉に気合を感じて期待が高まります。

 

店内の壁には芸能人の色紙が。千原ジュニア、ウーマンラッシュアワーの村本、細川たかしまで!そういえば、スイーツ番組のロケで北海道にきたダウンタウンの浜田さんが、昔プライベートで行った「オレンジ」というラーメン屋に行きたいと言い出し、スタッフが探しても見つからずに、実はここだったという話があるそうです(笑)

 

店内はこんな感じ。カウンター数席と、テーブル席が12席ほど。テーブルとテーブルの間はスペースが十分に取られていてゆったりです

 

テーブルの上には香辛料がずらり。ラーメンでは珍しい沖縄のコーレーグースも。素敵なセレクト。

 

最近はなかなかお目にかからない、やかんが渋いでしょ。なんだか嬉しくなります。高校の部活の女子マネージャーが頭に浮かびます。太陽がカンカンに照りつけるグランドで、砂埃にまみれてボールを追いかけ。汗がだらだら出て。フラフラして倒れこんだところに、覗き込むように立つマネージャー。「大丈夫??」なんて言って、ヤカンから冷たい水を頭にかけてくれる。えっと、僕は帰宅部だったので全ては妄想です(笑) でもそんなイメージが瞬時に頭に浮かんじゃうくらい、完璧なやかんでした。表面についた水滴がなんとも涼しげ。

 

5分ほど待って出てきた「味噌ラーメン」がこちら。じゃじゃーーーん!かざりっけのないシンプルなラーメン。香りからしてもうたまりません。写真からも香ってきそうですよね?ずずっと食べ始めると止まらなります。

 

伝統的な札幌ラーメンに連なる味。しょうがしっかり効いているあたりなど、美園にある名店『彩未』をリスペクトしてるのかなと感じました。『彩未』みたいに生姜を溶かして食べるタイプでなく、最初からスープに溶けていますが。ということは、やはり大きくくくると「すみれ」系になるのかな。あそこまでラードは使っていませんが。※後日調べてみると、やはりここの店主は「すみれ」の出身のようでした。

 

麺を半分くらい食べたところで、コーレーグースと一味をどかどか投入してみました。どんな味の変化が起こるんだろうと思いましたが、完全に味噌の勝ちです。コーレーグースの唐辛子の強さもそんなに際立たず、程よい辛さとまろやかさに変身。少ししょっぱくなってきてスープ全部を飲みきれませんでしたが、味噌ラーメンのスープを残すことが多い僕としては、これはかなり飲めました。美味しかったです!!

さて、肝心の『みかん』の名前ですが、スタッフのお姉さんに聞いてみたところ「果物のミカンではなくて未完成のミカンです」とのこと。自分たちのラーメンは未完成だから、いつでも完成を求めて精進していこうという気持ちを店名に表しているとのこと。ほーーーん、そっちかぁ!!という感じでした。

しかし、店内には「オレンジ」とマジックでかいたのれんも飾られておりました。どうやらこれは店を訪れたダウンタウンの浜田さんが書いたようですよ。惑わせますね(笑)

ちなみに!取材に行った4月下旬、お店の近くに流れる小川にはたくさんの鯉のぼりが!川の脇まで降りて散歩することができましたよ!


○店名/らーめん みかん
○電話/0134-22-1221
○住所/小樽市新富町13-13
○営業時間/11:00~LO18:00(水曜日は~15:00で営業終了)※スープが無くなりしだい営業終了
○休/木
○席/19
○P/有(南樽市場駐車場と共用)

LOCATION

WRITER

原 大介
ライター/ディレクター

リクルートグループの制作会社で12年勤務した後、2012年に独立。現在は「北海道じゃらん」の編集・取材も担当。もう一つの仕事であるコンサル業務と合わせて、道内のあちこちを飛び回る日々。

ユアンワークス
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