話題のアイヌ文化を体験!札幌でアイヌ料理を食べてみよう!

Text & Photo / 越後 久子

本州に生まれ育った者として北海道に暮らして思うことは、この地がとても独自性のある土地だということ。本州とは大きく異なる生態系や気候風土があり、日々の暮らしの中で、北海道ならではの文化慣習が数多くあることを知りました。そして、その一つ一つが国内外問わず多くの人々を惹きつけてやまない魅力になっているのだと思うのです。

「その土地を知ること」は旅の醍醐味ですが、北海道を旅する際、長い間この地で暮らし続けてきた先住民族アイヌについて、そして彼らの文化について、触れてみるのはどうでしょう?きっと一歩踏み込んだ旅になるはずです。

 

今再び注目されるアイヌ文化

アイヌはこの地が北海道と呼ばれるずっと前から、ここに根付き生きてきた人たちのことです。彼らは狩猟採集による自然と共生した暮らしを営み、衣食住をはじめとした豊かな文化を育んできました。文字を持たないアイヌ語による口承文芸、音楽、踊り、それから「全てには魂が宿る」という考え方、精神性も大きな特徴であり、時代に翻弄されながらも今に繋がれてきました。

近年は多様化社会という観点からも注目を浴び、メディアなどでも度々取り上げられるように。アイヌについて描かれている漫画やアニメもヒットしていますよね。2020年4月には白老に『国立アイヌ民族博物館』『国立民族共生公園』という二つのナショナルセンターもオープンするそうなので、ますます盛り上がりを見せそうです。アイヌについて知ることで、北海道がより深まるのでは!そんな想いを胸に、今回は札幌で気軽に美味しくアイヌ文化を体験できる、おすすめスポットをご紹介します。

 

雰囲気満点!チセでいただく、はじめてのアイヌ料理

今回伺ったのは、すすきのにある居酒屋さん「海空のハル」さん。札幌市内でも珍しいアイヌ伝統料理をいただけけるお店です。お腹を空かせたトラベラーズノートのメンバーでお邪魔しました。

 

 

お店はすすきの駅にほど近い商業ビルの中にあります。札幌中心部なので、市内散策終わりに向かうのも◎。新鮮な道内食材を豊富に使った和食、そして道内酒も充実しておりますが、やはり一押しメニューは数量限定の『アイヌ伝統食セット』!こちらのセットは、白老町にあるアイヌ民族博物館監修のもと作られた伝統家屋「チセ」の個室で、これまた博物館監修のアイヌ料理がいただけるという特別メニューです。なにやら本物感が伝わってきますね。どこでも体験できるというものではなさそうです。期待に胸ふくらませ、いざ入店!

店内は落ち着きながらもカジュアルな雰囲気。地元の方はもちろん、国内外の観光客の方で賑わっています。伝統食セットを予約していた私たち(こちらのメニューは要予約です!)は案内に従い、早速チセの個室に。

 

 

 

どうでしょう!伝統食をいただける個室は一部屋丸ごとチセの空間なんです。ヨシやアシで作られた壁に立派な梁、部屋の中心にはアペオイと呼ばれる囲炉裏、、、予想を超えた本格的な造りで、思わず、「おぉーー!」とテンションの上がる私たち。

 

 

 

 

細かな部分までかつてのアイヌの人たちの暮らしぶりが丁寧に再現されていて、一気にタイムトリップしたかのようでした。新鮮でありながら、どこか懐かしくもある、とっても素敵な空間です。

 

 

壁に飾られたルウンペという着物は自由に着ることもできるので、これを着て食事すれば、より臨場感も増しますね。あれこれチセの中を見回しながらお喋りしていると、いよいよお料理がやってきました!

 

 

こちらが特別メニューの『アイヌ伝統食セット』!かわいい木のプレートに数種類のお料理とお酒が並んでいます。ちなみにこちらのお店で提供しているアイヌ料理は白老地方のそれがベースになっていますが、あくまでも現代風にアレンジされたものなのだそう。聞くところによると、メニューを監修された同博物館館長さんの〝食文化は時代とともに変化するもの〟との想いにより、あえてそのようにしたのだとか。

さぁ、まずは伝統酒カムイトノトで乾杯〜!こちらのお酒は稗が原料で、このメニューのために造られたそう。すっきりキリッとした甘酒のようで、とっても美味しかったです。続いてお料理をいざ実食!せっかくなので、それぞれの感想を。鮭をたたいた〝チチタプ〟は鮭の旨味タップリでまったりした舌ざわり。北海道民がこよなく愛する芋もちにイクラをのせた〝チポロシト〟は、お芋の甘さとイクラのプチプチ弾ける感じがたまらなく、パクパクと何個でも食べられそうでした。笑 それから鹿肉の串焼き〝ユク〟。私は今回鹿肉初体験でしたが、臭みもなく、お肉の味わいをしっかり感じられました。そしてアイヌ料理に欠かせない〝オハウ〟は、小魚や獣骨、昆布で出汁を取り、魚や野菜を煮込んだこちらのスープ。いい出汁が出ていて、心までほっこりする優しいお味です。

アイヌ料理は素材の良さを生かすべく、シンプルな調理法、シンプルな味つけで作られていて、、、これが今の北海道の食文化のルーツになっているのだなぁとも感じました。

どれもとっても美味しくて、一同揃ってぺろりと平らげてしまいました。皆さんにもぜひ足を運んでいただき、実際に味わっていただけたらと思います。

ちなみにもう一つ、今回気がついたことを記しておきますね。それは、チセの空間でアイヌ料理をいただくことで、メンバーの仲がぐっと深まるということです。もちろん食事は人の距離を近づけますが、まるで映画のセットのようなチセで、普段なかなか食べることのできないアイヌ料理をいただくという、ダブルの〝非日常〟がよりそうさせるのかもしれません。個室のため、そこにリラックス感も加わり、とにかく話に花が咲くのです。私たちはそうでした!笑  さらに言うとトークテーマは自ずとアイヌから始まり広がるので、それぞれの生まれ育った環境やアイデンティティー、ルーツなど、図らずもお互いの深い部分に触れる会話になりやすい。ですので、一緒に旅する仲間はもちろん、旅で出会った人を誘い、訪れてみるのもオススメです。きっと素敵な時間になるはず!

北の大地に今の息づくアイヌの文化ーー。知ることで広がる世界があり、深まる楽しさがあります。北海道を訪れた際は、ぜひ体験してみてはいかかでしょうか?

 


◯名前 / 海空のハル

◯住所 / 〒060-0063札幌市中央区南3条西4丁目17−3

J・BOXビル5階

◯HP / http://umizoranoharu.gorp.jp/

◯電話番号 / 011-231-6868

◯営業時間 / 月〜土、祝日、祝前日 17:00〜23:30

◯定休日 / 日曜 + 第1、第3月曜(月曜祝日の際は、

日曜は休まず営業、月曜は代休)

※こちらの記事で紹介した、チセでいただく「アイヌ伝統食セット」は、数量限定・前日までの要予約のため、くれぐれも事前に電話もしくはネットでの確認を忘れずに!

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WRITER

越後 久子

山梨出身、道民生活2年目。北国ビギナー、雪国ビギナーの視点で、北海道をつづります。ヨガやヒーリングがライフワーク。