巨大なアート、広がる自然を全身で感じる!ーイサム・ノグチの世界を堪能!

text & photo /土居奈津美

イサム・ノグチをご存知ですか?

アメリカ人の母と日本人の父の間に生まれた芸術家であり、世界各地に彫刻を生み出した人です。

札幌にはそんな彼の集大成ともいえる巨大な作品「モエレ沼公園」があります。

「大地を彫刻する」という彼の考えのもとに建設された公園をご紹介します。

アートと自然を楽しむ休日!

この日はとても天気が良く、思いっきり日差しを楽しみたい!と思い立ってモエレ沼公園へ行くことに。

Ten to Ten Sapporo Stationの前でパシャリ。

いつもは地下鉄とバスで行くので、自転車で行くのは今回が初めてです。

もちろん歩いても行けますよ。(私は往復4時間かかりましたが…笑)

 

北海道らしい白樺の並ぶ道をひたすら北東に進みます。

モエレ沼公園は札幌駅からひたすら東に行ってひたすら北へ向かえば着くのです。

札幌の道は碁盤の目になっているため、初めて行く場所でも方向さえ分かっていればなんとなくで着くものです。

Ten to Ten Sapporo Stationを出発してから約30分。モエレ沼公園に着きました。

「モエレ」とはアイヌ語で静かな水面・ゆったりと流れるという意味の「モイレペツ」に由来しており、その名の通りこの公園は豊平川の一部が三日月湖として残された沼地に囲まれています。
まずは園内の「ガラスのピラミッド」へ向かい、休憩することにしました。

青い空を映して輝く「ガラスのピラミッド」は、自然の中に溶け込む現代的でシャープなピラミッドです。
高さ32mのこちらの建物には、市の公募によって名付けられた「HIDAMARI」という愛称があります。

中にはレストランやショップがあり、イベント開催の場所としても利用されています。

中へ入ってみると、また印象が変わると思います。

大きなピラミッドの中に人がいる、スマートな空間だけれど人の温かさを感じる場所。

そんな印象を毎回抱いてしまいます。

一階部分はこんな感じ。広い空間にベンチが等間隔に並びます。階段を使って二階へ向かいます。

全面がガラスだからこそ四方からあたたかな日差しが差し込み、こんな何気ない景色にさえ美しさを感じます。

こちらのピラミッドは全面から太陽の光が集まるため夏は暑くなってしまいます。

そのために冬の間に積もった雪を夏まで貯蔵し、それを夏の冷房として使う「雪冷房システム」が導入されています。できるだけ自然のエネルギーを用いて、空間の快適さをつくりだしているのです。

個人的に、このピラミッドの魅力は”静けさ”にあるのではないかと考えます。

太陽と芝生とガラスと階段。それだけしかないけれどそれで十分な気がするのです。

 

ピラミッドを後にして次は「プレイマウンテン」に向かいます。

高さ30m、幅約200m、長さ約300mの三角錐をつぶしたような一見なだらかな山。

 

目の前に石段があったためひたすらに登ります。

息を切らせて数えてみると全部で99段。何か意味があるのでしょうか?わかりません。

頂上からの景色。左手に見えるのはモエレ山。中央にはアカエゾマツが整然と並びます。

 

実はここのプレイマウンテンには二つの道があります。

ひとつは石段、もう一つは反対側の白く長いスロープです。

石段の方から見ると、プレイマウンテンはピラミッドのよう。

反対から見ると空へ昇る道のよう。

「山の頂上に立って周りを眺め、静かに話をしたり、物をもいにふけったり、あるいは祈る(pray)場所になっているような気がする。そこには人をして瞑想させる何かがある」

playかもしれないし、prayかもしれない。そんな場所です。

 

 

次はモエレ沼の象徴、モエレ山へ。

 

こちらの山は実は人工の山。高さは50mですが標高にすると62.4m。

最初の15mほどは札幌市内で出た燃えないゴミを埋めています。

頂上には三角点が設置され地図にも「モエレ山」と載っています。

頂上への行き方は様々です。なだらかな階段、真っすぐな階段、スロープも準備されていますが、他にも本来なら道の無い草の斜面でしたが、元気な人が登っていき自然の道ができてしまったそう。

春には長い冬が終わって雪解けの音がするモエレ山。

夏には青い空の下の芝生でピクニックなどいかがでしょう。モエレ沼芸術花火大会も開催されます。

秋には木々が色づき、園内スタッフが案内する公園散策も。

冬には真っ白な斜面をスキーやそりで滑り降りる人たちの姿が。

先ほどのガラスのピラミッド内で「歩くスキー、長靴、そり、スノーシュー」のレンタルをしています。手ぶらで行っても冬のモエレ沼を思いっきり楽しめるでしょう。

 

 

イサム・ノグチは「大地を彫刻する」という考えのもと、この公園を設計しました。

 

ピクニックグッズを持って家族でわいわいするも良し。

ひたすらに山を登るでも良し。

イサム・ノグチはどういう意図をもって建設したのか頭を悩ませるのも良し。

アート、そしてなにより広大な北海道の自然を全身で感じる時間はいかがでしょうか?


【モエレ沼公園】
〇所在地/北海道札幌市東区モエレ沼公園1-1
〇TEL/011-790-1231
○HP/http://moerenumapark.jp/
〇開園時間/7:00~22:00
〇入園料/なし
〇休/なし(但し、各施設はそれぞれ休業日あり)
○P/あり

LOCATION

WRITER

土居 奈津美
ライター/大学院生

女子大学院生ライター。岡山県出身、北海道満喫6年目。春は勢いのある雪解けを楽しんで、夏は麦わら帽子を持ってドライブへ。秋は美味しいものを食べ、冬は雪の綺麗さに見惚れています。